セルジュ・オーリエは、昨シーズンまでトッテナムの右サイドとして活躍したが、チームと合わず今シーズンで契約解除となった選手である。
そのオーリエがモウリーニョ時代のスパーズの状況を語っている。
今シーズン当初、彼は、1年契約期間を残していたが、エメルソン・ロイヤルの加入にあわせ、両者同意のもと契約解除をし、現在は、以前アーセナルの監督をしていたウナイ・エメリ指揮するビジャレアルに加入している。
そのオーリエが水曜日に行われるリバプールとのチャンピオンズリーグ準決勝を控え、当時のことをDaily Telegraphに語っている。
オーリエが特に指摘するのは、ジョゼ・モウリーニョと当時アシスタントコーチであったジョアン・サクラメントの2人が、選手達との適切な関係構築ができていなかった点である。
「10年前とくらべるとサッカーも変わっているんだよ」
「彼(モウリーニョ)は、今でも偉大な監督だと思うけど、世の中、変わったこともあるんだよ。選手達は、時には"愛情をもって、気にかけられている"と感じられることが必要な時もあるんだ。(そういう意味で)僕は、ジョゼも、アシスタントコーチも正しいとは思えないんだ。」
「ジョアン(サクラメント)は、厳しい人で、選手たちと良い関係をもてていなかったよ。だから事態も悪くなっていったんじゃないかな。良いコミュニケーションができていなかったんだ。」
「選手としてだけでなく、人として気をかける必要があったと思うよ。選手は出場機会がなくなると、良くない事を考えがちだけど、そういう時には、(監督なりコーチなりは)当時あったようなネガティブなメッセージではなく、気持ちを鎮めてくれ、良い雰囲気をつくってくれることが必要なんだ。」
モウリーニョは、カラバオカップの決勝が直前に控えていたにも関わらず、コーチングスタッフ共々、2021年4月に解任され、監督経験のないライアン・メイソンが暫定監督ととなり、結局決勝でマンチェスター・シティにも破れている。
デレ・アリなど個別選手との関係性は、メディアにも乗ることがあったが、スパーズにおいても、結局モウリーニョは選手全体との関係構築に失敗し、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド続いて、短期間で解任されることとなり、プレミアリーグの一流監督の座から滑り落ちた印象を残すこととなった。
モウリーニョは、現在ASローマの監督をしているが、キャリアの再構築はできるのだろうか?