エバートンが、日曜日のリバプールとのマージーサイドダービーに2-0で破れ、2019年12月以来の降格圏に転落した。重要なのは、4月後半というシーズンの最終盤のタイミングでの降格圏転落で、これは実に1998/99シーズン以来の出来事である。

仮に降格となると、プレミアリーグの発足以後では初めてで、エバートンの歴史上でいうと実に71年ぶりの出来事となる。

マージーサイドダービーも、ポゼッションが17％と、Optaが統計を取り出してから下から2番めの数字をなり、いうまでもないが、改めて現状における2チームのレベルの大きすぎる差を見せつけられることとなった。

リバプールのアンディー・ロバートソンに先制点を取られたあと、エバートンのアンソニー・ゴードンがペナルティーエリア内でマティップに倒された場面があり、ペナルティにも見えたが、ノーファールで流されてしまった。

前半にゴードンはダイビングでイエローカードをもらっており、それがレフリーの判断に影響してしまったかもしれないが、いずれにせよ、VARでろくにチェックもされなかったのは、ショッキングな出来事でもあった。

とはいっても、ここでペナルティが認められたとしても、リバプールの優勢はゆるがなかっただろうし、今日に限らずエバートンが負け続けているのも事実である。

今シーズンのプレミアリーグで、32試合消化で実に19敗目となる。リーグが38試合となってからエバートンがここまでの負け数を記録したことはない。また、12試合あったアウェイ戦で、11敗もしており、直近でみると7連敗となっている。（これは、1994年4月から10月で記録した8連敗に次ぐ記録である）

試合の大勢が決まり、順位でエバートンの下にいた（試合前は、エバートンは降格圏外だった）、降格圏のバーンリーがウルブスに勝利し、エバートンが降格圏に落ちることが確実になると、リバプールサポーターは、「（チャンピオンシップに向かって）落ちている！」とチャントで騒ぎ始めた。

合わせて、元リバプールの監督で、今シーズンエバートンの監督に就任したにもかかわらず、半年ほどで解任されたラファエル・ベニテスを称えるチャントがアンフィールドに流れ、締めくくりは、「これがお前らの最後のアンフィールド！」と皮肉られて試合終了となった。

ここ数シーズン、オーナーであるファハド・モシリとボードメンバーのマネージメントの失敗が何度も報じられてきたが、引き続き多くの間違いを犯しながら、悪夢の結論への向かっているようである。

モシリは2016年にエバートンを買収して以来、何もしてこなかったわけではない。むしろ積極的にチームへの投資を続け、5億ポンド（日本円で約800億円）もの巨額な資金を投じてきた。しかし、結局チームは弱体化していく一方で、チャンピオンシップへ向かうために投資をしてきたかような惨状である。

しかし、これがエバートンの現状である。降格しようものなら、「史上最大の金の無駄使い」となるだろう。

一方で、ベニテスから仕事を引き継いだランパードも必要最低限の結果もだせていないと言わざる得ない。（結果論的でもあるが、結局彼を指名したエバートンのオーナー、ボードメンバーの失敗でもあるが、、）

就任後、12試合で、8敗で勝ち星はわずか3である。

一方で、長年チームを支えたショーン・ダイチを解任したことで、選手やファンに衝撃をあたえたバーンリーは、勢いを取り返し、3試合で7ポイントを獲得している。

もはやエバートンには、「いい試合をみせた」、「気合の入った試合をした」だけではいけない領域に入り始めている。

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