コロナによる各クラブへの財政的なインパクトが強まる中で、2021年1月の移籍市場が1月2日よりオープンされる。かつてのゆうな莫大な予算がつぎ込まれることがないと予想される状況下で各クラブどのような移籍戦略も持って臨むのか、英GuardianやSky Sportsなどで報じられている内容を元にまとめてみよう。
プレミアリーグ移籍最新情報
アーセナルの移籍戦略
今シーズン、特に課題であるクリエイティビティのある選手の補強が最重要ポイントだが、21年冬の移籍市場でそれを狙うためには、まずは既存の選手の放出が必須である。先日発表されたコラシナツのローン移籍は手始めに過ぎない。その他具体的にはソクラテスの名前が挙がっている。
若手では、今シーズンファーストチームで出場機会を得ていないサリバのローンが有力視されている。そういった状況を踏まえると、先日噂にあったイスコ含め、獲得もローンに頼らざるえないと思われる。エジルは、完全に構想外ではあるが、本人は契約を全うするつもりのようである。
アーセナルの移籍情報まとめ
アストン・ヴィラの移籍戦略
今シーズン開幕前に獲得した選手が良く機能しているため、またバークリー、トレゼゲ、ウェズレイなど、ケガで離脱していた選手が戻りつつあるため、急ぎの獲得が必要な状況ではない。現在ローンできているバークリーの完全移籍はありえるかもしれない。また左利きのサイドバックとセンターバックはよい選手がいれば獲得したい意向のようだ。退団に関しては、ヘンリ・ランズベリーやニール・テイラーのローン移籍などが考えられる。
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ブライトンの移籍戦略
ブライトンの監督、グラハム・ポッターは、南アフリカ人のストライカー、パーシー・タウのアンデルレヒトからのローンバックを望んている。また夏の移籍で獲得したボーランド人のヤクブ・モデルを1月にローンバックする意向だ。
ただ、移籍活動の中心は、チームの中心から外れている選手の放出がメインになるだろう。オーストラリア人ゴールキーパーのマット・ライアンは価格が折り合えばすぐに放出される見込みだ。そのほか、ジェイソン・モランビーがチャンピオンシップへのローン移籍が検討されている。
ポッター自身は現在の中盤や前線の選手からのゴールが増えることを期待しており、ケガで離脱していたフロリン・アンドネやホセ・イスキエルドがフィットすればポッターの構想に入る見込みだ。モデルが加入したら前述のモランビーやマックス・サンダースが押し出されるだろう。
今シーズン活躍しているベン・ホワイトやタリック・ランプティ、イヴ・ビスマなどは、他のクラブから狙われているが、ブライトンは現時点で移籍を許可する意向はない。
ブライトンの移籍情報まとめ
バーンリーの移籍戦略
新オーナーとなったアメリカのALKキャピタルは、引き続きショーン・ダイチの支持すると明言しており、夏の移籍で、100万ポンドしか使わなかったダイチも今後は、かつてよりも移籍市場での予算が与えられるかもしれないが、クラブの買収が完了した直後であるため、状況は不透明でもあり、実際には積極的な移籍活動は難しいと思われている。
ショーン・ダイチの希望は、スピードのある右ウィンガーといわれているが、うウエストハムやレスターが狙っているジェームス・ターコウスキーが移籍するようなことがあれば、センターバックの補強も必要になるだろう。
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チェルシーの移籍戦略
夏の移籍で、2億2,500万ポンドもの大金を費やしたチェルシーだが、今冬は控え目の移籍活動になるだろう。
長く噂されているデクラン・ライスの獲得は、夏に持ち越されると思われ、冬の移籍活動の中心は、戦力外選手のスリム化になると思われる。現在ディフェンダーで序列5番目のフィカヨ・トモリはローンでの移籍が考えられる。その他、ベン・チルウェルにレギュラーポジションをとられたマルコス・アロンソやエメルソン・パルミエリも整理対象である。
ただしアントニオ・リュディガーの買い手が見つかった場合は、トモリは残留するかもしれない。マルコス・アロンソはアトレティコ・マドリードが獲得の意向があるといわれている。エメルソンはインテルやユベントスが興味を示している。
その他、ジルーも以前より移籍が取りざたされているが、現時点で具体的な話はなさそうである。バイエルン・ミュンヘンは、引き続きハドソン=オドイに興味を持っているといわれている。
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クリスタル・パレスの移籍戦略
今シーズンの夏に、大金でエベレチ・エゼを獲得しており、予算の都合上、冬の移籍市場の活動はあまりないと思われるが、一方で、PSGやACミランなど、調子を上げてきているウィルフリード・ザハへの獲得を検討しているクラブへの対処に追われるだろう。現時点では、ポチェティーノの監督就任が既定路線のPSGが一歩リードか?
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エバートンの移籍戦略
夏の移籍で大金を費やしたエバートンは、クラブ市場最悪の1億3,990万ポンドもの巨額の赤字を昨年記録した。そのため、カルロ・アンチェロッティも冬の移籍市場では積極的な活動は期待できないが、2,3名の選手が放出された場合は状況が変わるかもしれない。
現時点では、ヤニク・ボラシエやジェンク・トスン、ジョンジョー・ケニー、モー・ベシッチが整理候補になっている。
アンチェロッティは、アランやデルフの離脱もあり、中盤の補強を望んでいる。ジェンク・トスンが移籍することになったら、キャルバート=ルーウィンのバックアップも探すことになるだろう。また、ローマからのローン移籍中のサブゴールキーパーのロビン・オルセンを完全移籍で獲得することを検討している。これらをふまえて、レアルのイスコや今年の夏にユベントスとの契約が切れるサミ・ケディラ獲得の噂が出ている。
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フラムの移籍戦略
スコット・パーカー率いるフラムは、夏の移籍でディフェンダーを獲得したことで、ディフェンス面が改善されてきているが、攻撃面で課題が残る。ミトロヴィッチも今までほどのゴールを上げられていない。力のあるストライカーを獲得できれば、プレミアリーグ残留に一歩近づけるだろう。予算確保のため、構想外となっているジャン・ミシェル・セリの売却があり得るかもしれない。
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リーズの移籍戦略
コロナによる収入減もあるが、なによりビエルサ自身が1月の移籍市場を支持しておらず、今年の冬の移籍で選手獲得の見込みは低い。負傷者を抱える中盤とディフェンスのローン移籍での獲得はありえるかもしれない。
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レスターの移籍戦略
けが人を抱えながらもプレミアリーグで上位を維持しており、監督のブレンダン・ロジャーズも、お買い得な選手が出てこない限り、冬の移籍での積極的な活動はないと語っている。ただ、ディフェンス面でジョニー・エバンスやウェズレイ・フォファナへの依存度が高いため、オプションを増やすための獲得はありえるかもしれない。一方で、出場機会を得られていないデマライ・グレイやイスラム・スリマニのローン移籍が検討されている。
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リバプールの移籍戦略
セントラルディフェンダー陣の「負傷者リスト」に、マティップが再び加わることになってしまい、ファビーニョへの依存をさらに高めることになっている。1月の移籍で補強を行うか、今までのようにリース・ウィリアムズやナット・フィリップスのような若手を信頼して使い続けるか、クロップには思案のしどころとなっている。主力選手の退団は基本的にないだろうが、オリギに良いオファーがあった場合は、売却を検討されるとも言われている。
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マンチェスターシティの移籍戦略
グアルディオラはケガが多く、ベテランになったセルヒオ・アグエロの代替として、ドルトムントのハーランドのような点取り屋の獲得を熱望しているといわれているが、予算面や各選手の状況をみると、冬での獲得はないと思われる。
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マンチェスターユナイテッドの移籍戦略
グアルディオラ同様、スールシャールも基本的に現在の選手満足していると明言しており、以前からのターゲットであるドルトムントのジェイドン・サンチョの獲得が現実的でない状況と、またアトランタから、最大4,000万ポンドの移籍金で18歳のアマド・ディアロすでに獲得していることなどをみると、新規の獲得は見込まれていない。
元々新しいセンターバックと右ウィンガー、ポグバが移籍した場合の守備的中盤の補強を検討しているが、これらの活動は来シーズン夏になると思われる。一方で、戦力外のフィル・ジョーンズやマルコス・ロホ、セルヒオ・ロメロの受け入れ先を探している。ブランドン・ウィリアムズに関しては、シャルケとサウザンプトンが興味を示している。
昨シーズン加入当初は活躍していたレンタル移籍中のイガロとの契約は1月30日に切れる予定だが、カバーニとは契約を更新するだろう。
ジェシー・リンガードは、移籍すると思われていたが、どうやらクラブも選手も移籍に前向きでなかったようで、1年間の契約延長オプションが実行された。
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ニューキャッスルの移籍戦略
去年の夏の移籍で、カラム・ウィルソン、ライアン・フレイザー、ジェフ・ヘンドリク、ジャマル・ルイスなど、ここ数年見られなかった積極補強を行ったニューキャッスルだが、監督のスティーブ・ブルースはクラブから冬の移籍予算はないといわれているが、サポーターからの批判や降格争いをさけるため、ローンでの選手獲得を検討していると言われている。
現在のニューキャッスルは、夏の移籍でボーンマスから獲得したカラム・ウィルソンにその得点を依存しており、ストライカーの獲得を最優先にしているという。それ以外に、運動量のある中盤やルイスの競争相手となる左ウイングバック、センターバックのカバーを希望しているという。
ただし、オーナーのマイク・アシュリーは、プレミアリーグ側に却下されたサウジアラビアへのクラブの売却に関する法廷闘争に予算をつぎ込むことが最優先になっている。
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シェフィールドユナイテッドの移籍戦略
シェフィールドユナイテッドの監督、クリス・ワイルダーは、コロナで打撃をうけた財政状況と、今シーズン現時点で勝ち星がなく、降格の可能性がある状況の中で、積極的な獲得ができなくなっている。
ワイルダーは、ローンで2名の獲得を目指しており、そのうち1名は、今シーズンの不調の一員となっているジャック・オコネルのケガによる長期離脱を補う左サイドのセントラルディフェンダーである。プレストンのベン・デイビスが有力候補をといわれている。もう一名は、得点不足解消のため、攻撃的な中盤のようで、ワイルダーはすでにボードメンバーに希望リストを渡している。
昨シーズンの躍進の中心メンバーであった、ジョン・ランドストラムは契約延長を拒否しており、良いオファーが届いたら放出される見込みである。
シェフィールドユナイテッドの移籍情報まとめ
サウザンプトンの移籍戦略
サウザンプトンにとっての優先事項は、ダニー・イングスをチームにとどめることになりそうだが、ウォーカー=ピータースやウォルコットのように、選手獲得がある場合、完全移籍のオプション付きのローン移籍になると思われる。(ウォルコットは6月にエバートンとの契約が切れる)駒が不足しているディフェンス陣の補強で、マンチェスターユナイテッドのサイドバック、ブランドン・ウィリアムズを狙っているといわれているが、一方で自身のユースの選手にチャンスを与える意向ともいわれている。
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トッテナムの移籍戦略
ジョゼ・モウリーニョは、引き続きセンターバックと守備的中盤の補強を望んでいるらしいが、状況は不透明である。どちらかというと売却のほうが優先度が高そうで、ダニー・ローズとパウロ・ガッザニーガのオファーを待っている。
長く移籍が取りざたされているデレ・アリだが、ロチェルソがケガで長期離脱となった状況で、先日コロナで延期となったフラム戦で先発に名を連ねていた。今月にアリの売却で大きな資金を得られるかも不透明である。昨シーズンに移籍して戦力外となっていたクリスティアン・エリクセンは、スパースが望めば獲得は可能であるといわれている。またハリー・ウィンクスに関しては、モウリーニョは放出しないと言っているが、ジェドソン・フェルナンデスはローンバックされるかもしれない。
トッテナムの移籍情報まとめ
ウエストブロムの移籍戦略
解任されたビリッチに代わって、「降格争い専属監督」サム・アラダイスが監督に就任したが、アラダイスは、1月での選手補強を強く主張している。一方で、予算獲得には選手売却が必要なことも理解しているが、コロナの影響で選手の売却価格が下がっているとも述べている。アラダイスはストライカーの獲得を希望しているようで、エバートンのジェンク・トスンの獲得を検討しているという。(トスンは、アラダイスがエバートンの監督をしていた時に獲得した選手でもある。)ストライカー以外もセンターバックから中盤、ストライカーにかけてチームのセンターライン強化の獲得希望リストを用意しているが、すべての希望がかなえられることはないだろう。
ウエストブロムの移籍情報まとめ
ウエストハムの移籍戦略
1月の移籍はあまり動きはないと見られている。マイケル・アントニオがケガで欠場したことで、攻撃陣の層の薄さが露呈しているが、予算も限られており、リーグ10位でパフォーマンスも悪くない現状を踏まえると慌てる必要がない状況である。夏に向けて、スラビア・プラハのアブダラー・シマを狙っているといわれる。年末に21歳のデンマーク人ディフェンダーのフレデリク・アウヴェスを獲得したが、これは将来性をみた獲得である。
ウエストハムの移籍情報まとめ
ウォルバーハンプトンの移籍戦略
頭蓋骨骨折で長期離脱を余儀なくされたラウル・ヒメネスの穴を埋めるフォワードの獲得がウルブスの最優先事項である。18歳のファビオ・シルバも健闘してはいるが、まだ十分とは言えない状況である。有力候補の一人が、プレミアリーグでの経験が豊富で、最近アトレティコ・マドリードを退団したディエゴ・コスタである。彼のエージェントはウルブスと関係の深い、ジョルジ・メンデスでもある。