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プレミアリーグの19-20シーズンを独走しているリバプール。20年1月22日現在で2位と差が○○ポイントと実質的にシーズンが終わってしまって○○年ぶりの優勝もほぼ確定した状況である。誰もが認めるリバプールの強さ、その主な要因は、ユルゲン・クロップの監督としてのビジョン、マンマネージメントに帰する部分が多いといわれているが、その一方で、特に他のビッククラブと比較してみると見逃せない別の要素がある。彼らのスカウティング戦略である。イギリスのSkysportsによると、リバプールの強さの源は、単に「より優れた選手」を獲得しているのではなく、「現時点でより優れている選手」を獲得していることにあるようだ。

ここでいう「現時点でより優れている」というのは、年齢をベースにした選手としての「最盛期」のことを指している。リバプールの選手の平均年齢は27歳であるが注目すべきはその年齢構成にある。

プレミアリーグで1000時間以上プレイした選手の中で、一般的に選手としての最盛期と考えられる25歳〜29歳の選手がプレイした時間の割合は、リバプールをみると全体の75.3%で全リーグの中でトップをしめている。(ちなみに最年長はジョーダン・ヘンダーソンの29歳、最年少はトレント・アレグザンダーアーノルドの21歳である。)

つまり平均年齢27歳というのが重要なのではなく、その構成こそが重要なのだ。

それは、現在苦しんでいる他のビッククラブを見れば明らかで、アーセナルは25歳〜29歳の選手の構成比率は25%である。

5人のアカデミー出身選手がプレイしているチェルシーを見てみると、若手を積極的に起用し、一定の成果を出しているフランク・ランパードの評価は高いが、現時点でリーグ4位ながらも、負け数も多く、若手中心のチームでありがちな不安定なパフォーマンスである。

(振り返るまでもないが、、)ユナイテッドをみると、27歳のムヒタリアンに投じた金は、£38m。28歳になったマティッチには£40m。29歳でプレミアリーグ一番の高給取りとなったアレクシス・サンチェスには、、、若手に目を移すと、2015年に世界最高額の10代選手としてユナイテッドに移籍したアンソニー・マーシャルやルーク・ショーなどの例もある。(マーシャルが失敗といえるかは議論の余地があるが、少なくとも当時のコストに見合った成功だとは言えないだろう。)

つまりリバプールのリクルート戦略は、他クラブと比較すると一線を画している。

リバプールは、いたずらに「期待の若手」や「今が最盛期であとは下降線をたどりそうな選手」に投資をせず、まさにその選手としてのピークを迎え始めている選手に積極的に投資をしていくことで、現在までの下準備をしてきたわけだ。

20年1月に南野拓実がリバプール入りした年齢は24歳。少なくない人が彼の実力を認めてし、いうまでもなく、最盛期を迎えて下降線をたどりそうな選手でもない、リバプールの戦略のそった獲得だったわけだ。これから最盛期をむかえようとしている南野は、今のリバプールの強さを支えるため、ということもあるだろうが、より期待されているのは「これからのリバプールを支える」役割なのだろう。