21/22シーズン、ヨーロッパリーグ準決勝まで進み、プレミアリーグも7位ながら、来シーズンもヨーロッパのカップ戦への出場を決めたデビット・モイーズには、クラブ側から移籍・補強に関する積極的な支援が約束されている。

ここでは現時点でのウェストハムの移籍市場での動向を整理していきたい。

獲得希望リスト

モイーズが2019年にウェストハムの監督に復帰して以来、ストライカーの獲得を希望しつづけており、その当時もフランクフルトからセバスティアン・ハラーを獲得したが、2019年夏の移籍市場で獲得したセバスティアン・ハラーも、結局2021年にアヤックスに売却してしまい、以来後釜を確立できずにいる。

ミカエル・アントニオも昨シーズン開幕当初は爆発し、開幕5試合5ゴールと活躍したが、その後失速し、残りの試合でわずか5ゴールで終わってしまった。同じポジションにいたヤルモレンコが昨シーズン限りで退団してしまうため、やや衰えも見えるアントニオの競争相手の獲得が必須になっている。

攻撃陣でいうと、右サイドは昨シーズン、ジャロッド・ボーウェンが成長著しかったが、左サイドの選手はぱっとせず、センターフォワードに加えて、補強が検討されている。

アタッカーでは、一昨シーズン、ウェストハムでのローン移籍で結果を出して、この夏マンチェスター・ユナイテッドをフリーエージェントになるジェシー・リンガードの獲得に向けて進んでいる。

今年の1月にはベンフィカのダルウィン・ヌニェスの獲得にむかったが成功せず、ヌニェスはチャンピオンズリーグに出場するクラブに移籍すると思われる。アーセナルのエンケティアも狙っていたが彼はアーセナル残留となった。

それ以外だと、以前報じたようにアストン・ヴィラのオリー・ワトキンスやエバートンのドミニク・キャルバート＝ルーウィンも噂されているが、どちらも移籍金高額になるだろう。

左利きのセンターバックも優先エリアになっており、ノッティンガム・フォレストのジョー・ワローやレンヌのナーイフ・アゲルドが候補になっている。左サイドバックでアーロン・クロスウェルの競争相手も検討されている。

中盤は、クラブのレジェント、マーク・ノーブルが引退してしまい、ローンできていたアレックス・クラールもチームにフィットせず、ローンバックされることになり、強化が必要なエリアである。

今年の1月の移籍で、カルビン・フィリップスに対し5,000万ポンドのオファーを出したが、リーズに拒否されている。フィリップスは現在、シティへの移籍が有力視されている。ウェストハムは、サウサンプトンのウォード＝プラウズにも関心をもっているといわれており、こちらのほうが現実的なオプションではあるが、移籍金は高額になるだろう。

ゴールキーパーは、PSGからローンで来ているアレオラの完全移籍での獲得を検討しているが、年俸で折り合わない可能性がある。その場合は、降格したバーンリーのニック・ポープの獲得に向かうとみられている。

売却対象

整理対象となっている選手のうち、ライアン・フレデリクスとアンドリ・ヤルモレンコ、デビット・マーティンの3選手は契約満了で退団が決まっている。

イッサ・ディップとアルトゥール・マスアク、ニコラ・ヴラシッチも、適正なオファーがあれば売却されるだろう。

期待ほどの活躍ができてないサイード・ベンラーマも、高額だった獲得時の移籍金のある程度の回収ができれば売却される可能性がある。

1億5,000万ポンドの価格をつけたデクラン・ライスに関しては、少なくとも今シーズンに売却されることはないだろう。

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