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すでに報じられているように、現オーナーのアブラモビッチのチェルシー売却表明によって始まった新オーナー探しだが、アメリカMLBのロサンジェルス・ドジャースのオーナー、トッド・ベーリー(Todd Boehly)率いるコンソーシアムが優先的に具体的な交渉に入っているが、交渉妥結にむけて大きな障害となるかもしれない事態が発生した。

[既報]チェルシー新オーナー決定か

イギリス政府から制裁を受けているアブラモビッチは、元々今回の売却で得た利益分のすべてをウクライナ戦争のすべての被害者に寄付することと、彼がチェルシーに貸し付けていた債権16億ポンド(日本円で2,600億円程度)の債権放棄を表明していたが、発言を撤回し、債権に関しては全額の支払いを求めたようだ。

先週、チェルシーの関係者が政府に売却方法の再検討を申し入れたが、その中には、クラブの親会社であるFordstam社の債務の、Camberley International Investments社への返済についての話が含まれていたという。

このCamberley International Investments社は、所有者がはっきりしないが、アブラモビッチとつながりがある会社といわれている。

この申し入れに政府関係者も驚いたようで、アブラモビッチの資産が凍結されている現状で、それを認めるのは政治的に重大な問題があると考えているものもいる。

実は、チェルシーの業務許可のライセンスは、5月31日で切れる予定であり、買収交渉が長期化するかもしれない状況の今、6月以降のチェルシーがどうなるのか不透明感が急激に増してきた。

最悪の場合、ライセンスが切れる前に新オーナーが決まらないと、チェルシーはプレミアリーグにもヨーロッパのカップ戦にも出場できなくなる。

現在までに、チェルシー側もアブラモビッチ側も状況についてはっきりしたことを述べていない。

政府関係者の中には、金がロシア側に渡らないことが保証されるのであれば、アブラモビッチへの債務支払いへ理解を示すものもいるようだが、そう簡単な話でもなく、イギリスの大蔵省などは、アブラモビッチへの金銭の流失は断固として阻止するつもりのようで、先行きが見通せなくなった。

不透明感が増す中で、ベーリー側は、優先交渉権が与えられる5日間の間にアブラモビッチとの交渉をまとめるつまりでいる一方で、競合グループも撤退したわけではなく今後に備えているようである。

現在残っているグルールは、アタランタの共同オーナーであるステファン・パリュウカ率いるグループと、以前リバプールのオーナーでもあったマーティン・ブロートン率いるグループであると言われている。それ以外にも入札期限を超えてから参入していきたサー・ジム・ラトクリフも巨額の入札を表明して話題となったが、ラトクリフのグループは、現在考慮にいれられていないようである。

ベーリーのコンソーシアムにも問題があり、買収が成立した場合、コンソーシアム内にいるアメリカの投資会社であるClearlake Capitalが最大株主となり、ロサンゼルス・ドジャースのオーナーでもありスポーツビシネスにも知見のあるベーリーは少数株主となるため、内部関係者の中には、投資会社が、トップクラブと対等にわたりあうために長期的な展望をもって、チェルシーに対し適切な投資ができるのか、疑問にもつものもいるようだ。

新オーナーが決まらないため、選手獲得や売却、既存選手との契約更新交渉などもできなくなっており、ライセンス問題に合わせて、このためにチームの主力であるアントニオ・ルディガーを失うなど、これも大きな問題となっている。

ベーリー側もこの件には注意を払っており、買収が完了したらルディガーの二の舞にならないためにチームの主力てあるリース・ジェイムズやメイソン・マウントとの契約更新を急ぐ意向である。

チェルシーユース出身のマウントは、現在23歳で、契約期間を2年残していいるが、チームでもっとも最も年俸が安い選手の1人で、現在週給7万ポンド(日本円で1,100万円程度)であり、今シーズン不調で移籍の噂もあるルカクが週給30万ポンド(4,900万円)であり、それと比べると4倍以上の差がある。ジェイムズも現在週給10万ポンド(日本円で1,600万円)の年俸だが、ヨーロッパのトップクラブからもその動向を注目されている1人である。

両者とも移籍の意向なないが、チームから正当に評価されることを望んていると言われている。

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